糖尿病と薬物治療について

糖尿病治療における薬物療法について

糖尿病の治療は、一日3食の食事を見直す食事療法と、基礎代謝量を上げて脂肪を燃焼させる運動療法の組み合わせが基本となります。だし、血糖値の状況や体調などによっては、薬物療法を行う場合も。 薬物療法には「血糖降下薬」と「インスリン注射」が用いられますが、それぞれの薬にはいくつかの種類があり、患者さんの体の状態に応じて使い分けられています。

薬物療法とは

食事と運動で糖尿病の改善がみられない場合には、飲み薬やインスリン注射による治療を行います[1]薬物療法では、体内のインスリンを薬によって増やして血糖を下げていきますが、インスリン作用が過剰になる可能性も。その場合、血糖値が下がりすぎてブドウ糖が不足し、「低血糖」状態になってしまいます。 低血糖になる場合にはすぐに糖分を補給する必要があるため、薬による副作用としての低血糖に注意です。

・1型と2型での薬物療法の違い

1型糖尿病の患者さんは、インスリン分泌不足が原因であるため、体の外からインスリンを補充しなければなりません。インスリンの種類や量は、患者さんごとに異なるため、主治医の指示にしたがって注射を行います。[2]。 それに対して、2型糖尿病の患者さんは生活習慣を見直しながら、経口血糖降下薬などの薬物療法を中心に行い、糖尿病の進行を防ぐことが目標となります。

薬物療法の種類

経口血糖降下薬

糖尿病の治療に使われる経口血糖降下薬は、インスリンの分泌を増やすもの、インスリンの作用を良くするもの(インスリン抵抗性改善薬)、糖の吸収と排泄を良くするもの(食後過血糖改善薬)の3種類。 インスリンの分泌を増やす代表的な薬剤には「スルフォニル尿素剤(SU剤)」などが挙げられますが、作用機序の異なるさまざまな薬があり、1剤もしくは2剤を併せて摂取して様子をみます。 これらの薬は、食事や運動を行っても血糖コントロールがうまくいかない患者さんが対象です。

・注射薬

インスリン依存型糖尿病と診断された患者さんには、インスリン注射が基本的な薬物治療となります。また、インスリン非依存型の患者さんでも、経口血糖降下薬などの治療がうまくいかない場合には、インスリン注射が必要です。

インスリン製剤は作用時間が異なる数種類に分けられ、注射後7,8時間でピークを迎える「中時間作用型」、約4時間後にピークを迎える「短時間作用型」の二種類と、それらを混合したものが用いられます。 一般的には、中時間作用型のインスリン製剤を、一日1回から2回にかけて皮下注射します。

・食事と運動を基本に

糖尿病は1型と2型に分けられ、治療方法はそれぞれの型と患者さんのコンディションや病状により細かく分けられます。 2型の糖尿病の場合は、いきなり薬物治療に頼るよりも食事療法と運動療法を基礎に置きながら、体調を整えていくことが理想。 薬物治療は食事も運動も効果がない場合に行われる治療法ですから、まずは食事や運動を基本に考えていくことが大切です。

・参考文献

[1]『1型糖尿病の治療について』糖尿病情報センター

[1]『糖尿病の薬物療法‐糖尿病教室』京都大学 糖尿病・内分泌・栄養内科